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376 若年出産
「もしも、雪ちゃんと瑞葉が別れちゃったら、アタシどっちに付いてこ~……?」
海彩が頭を抱えた。
「“もしも”とかないから、そんな心配しなくていいから」
「それは離婚しないってこと!?」
美雪が言い聞かせていると、瑞葉が嬉しそうに勘違いを膨らませた。
「まだ結婚もしてないだろっ」
「じゃあ、いつあたしと結婚するの?」
「永遠にしねーよっ」
「えー……。雪ちゃんこんな大きな子連れてたら、他の人と結婚するの難しくない?」
「こんな大きな子、わたしがいつ産んだんだよ……」
「でも雪ちゃん若いよねー! とても高校生の子供がいるようには見えない、これなら再婚も大丈夫かも」
「若いとかの問題じゃなくて、わたしが産んだわけじゃないから、他所の子だから。あといつの間にかわたしのことバツイチにしないで」
「ああ。あたしが連れてきた子だった」
瑞葉は海彩の手を取った。
「自分の子を間違えんなっ! いや、お前の子でもないけどっ」