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375 愛の結晶
「離婚だ! 離婚!」
「結婚すらしてないけどな」
熱く盛り上がる瑞葉に、美雪が冷静に返した。
「慰謝料、た~っぷりもらわないとね~」
海彩が両手を合わせて言った。
「海彩ちゃんがお医者さんになるまで貰いますからね!」
「海彩はお前の子じゃないからなっ」
「親権は譲らないって意味?」
「家族じゃないって意味だよっ!」
「酷い……! そんなこと言ったら海彩ちゃんが可哀想でしょ!?」
瑞葉は庇うように海彩を抱き締める。
「……アタシ、かわいそう~?」
海彩は二人に尋ねた。
「海彩ちゃんは全然可哀想じゃないからねー。あたしのこと、お母さんだと思ってねー?」
「本当のお母さんのとこへ帰してやれっ。可哀想だろっ」
「ダメだよ!! 苦労してここまで連れてきたんだから!!」
「犯罪じゃねーかっ! さっさと帰せっ!!」