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374 愛のからまわり
「瑞葉~、大変~!」
「なになにどうした!?」
授業が終わった途端、海彩が瑞葉の元へ駆け寄った。
「雪ちゃんが浮気してるトコ見ちゃった~!」
「なにい!?」
海彩の口から告げられた衝撃的な事件に、瑞葉は目を見開いた。
「してねーよっ!」
遅れてやってきた美雪からツッコミが入る。
「なにい!? それはあたしとの関係が浮気だったってことかあ!?」
興奮のあまり、美雪が浮気したこと前提で瑞葉は話を進めていく。
「お前とは浮気ですらないけどな。海彩、わたしが浮気って何を見たの?」
「知らない子とお話ししてた~……」
「それは浮気じゃないな」
美雪はほっと胸を撫で下ろした。
「うわああ……!! 浮気だああ……!! まごうことなき浮気だあああ……!!」
「浮気じゃないし、瑞葉もそれくらいしょっしゅうやってるだろっ」
「あたしのは雪ちゃんに嫉妬して欲しいだけだからいいの!」