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372 代名詞
「じゃあ、クラス委員長は山梨桃子に決定で。次は副委員だけど」
「はい!」
三田先生が挙手を促すと、すぐに瑞葉が返事をした。
「相葉、できるのか?」
「いえ、江口さんが」
不安そうな先生の問い掛けに、瑞葉は後ろの席を指で差す。
「んふっ……」
海彩が吹き出した。釣られて他の生徒も笑い出す。
「え……ええ!?」
「頑張って。江口さん」
「え、ええと……。副、なら……、いい、かなあ……?」
しどろもどろになりながらも江口さんは頷いて、副委員長になることを了承した。
「よーし、じゃんけんだ!」
「いらんわ!」
「はーあ……」
山梨さんがグーにした右手を掲げて立ち上げる。
「お前はもう委員長に決定してるだろ!? お前も相葉か!?」