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367 触れ合いから始まる愛
「もうすぐチャイム鳴るし帰ろっか」
「何でだよ、教室行けよっ」
「教室のつもりで言ったんだけど……」
真面目でいたのに、美雪に追い立てられてしまった瑞葉のテンションは急激に下がっていく。
「それは……ごめん」
「あーもう、このあとの授業やる気なくなっちゃったなー」
「やっぱり家に帰るつもりだったんだろっ」
「雪ちゃん、早とちり~?」
「いや、どうだろう」
海彩に美雪が首を傾ける。
「早とちり雪ちゃん!? それはちょっと可愛いかも!」
興味津々な瑞葉は急激にテンションを上げていく。
「いないから。そんなのは」
「あたしがぎゅうーってやったら、早とちって好きになっちゃったりする?」
「早とちらないよ」
「アタシがギュウ~……ってやったら早とちる~?」
「早とちらないよっ」