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364 有言実行
「三人ともジュース同じにしちゃうとさ……」
「何?」
「ん~?」
両手で握るペットボトルに顔を落とした瑞葉に、美雪と海彩が反応する。
「ペットボトルが混ざっちゃったとき、どれが誰のかわからなくなるよね?」
にやりと不順な笑みを浮かべながら瑞葉は顔を上げた。
「わたしは先に飲み干すから大丈夫だよ」
なんでもないように美雪が答える。
「先手を打たれた!?」
「……どうせ間接キスとかするつもりだったんでしょ」
「違うよ。直接キスだよ」
「ジュースの意味はっ!? 会話の流れの意味はっ!?」
美雪は思わず声を荒げた。
「だって、ジュース飲んだあとにキスしたら甘くて美味しそうじゃん?」
瑞葉がゴクリとジュースを一口飲み込む。
「いや、繋がってないし、知らないし、させないし」
ゴミ箱にカラになった美雪のペットボトルが捨てられた。