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363 ドキドキ
「体にピース!」
瑞葉が自動販売機の下から冷たいペットボトルを取り出した。
「もっと体を労りなよ」
美雪は、寒そうな短すぎるスカートから覗かせる瑞葉の健康的な太ももに目を落とす。
「今、雪ちゃん“瑞葉の柔らかい素肌に飲みかけのジュースを垂らしてゆっくりねっとりと舐め取りたいなあ……”とか思ったでしょ!?」
ヒラリ、とスカートの裾を摘んで翻してみせた。
「そんなこと思ってないからっ。風邪引くなよって言いたかったのっ!」
「思ってないの……!? ちっとも!?」
「そこ驚く?」
「朝と夕方はまだ寒いよね~、瑞葉寒そ~」
「大丈夫だよ、雪ちゃんすごいから。雪ちゃんに見られてると体がポカポカしてくるから」
海彩に心配された瑞葉はギュッと自分の体を抱きしめる。
「わたし見てないど」
「雪ちゃんに見られてると思うとポカポカしてくるから」
更に力強く抱きしめた。
「それ、わたし必要なくない?」