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「何飲もっか」
「ん~……」
五百円玉を入れた自動販売機を前に美雪が海彩と並ぶ。
「あたしは雪ちゃんの体から出てくるものなら何でもいいよ?」
うしろから瑞葉が言った。
「気持ち悪いからちゃんとしたの飲んで」
美雪は少し横にずれて、海彩との間に瑞葉を入れた。
「雪ちゃんやさ……やらしいね」
「わざわざ言い直すなっ。選ばせてあげるくらい普通だろ」
「おごり?」
「次奢れよ」
上目遣いで覗き込んできた瑞葉に、美雪は頷いた。
「わ~い」
「雪ちゃんのためにお金を使えるなんて、この上ない幸せだよ!」
「自分のために使えっ」
「“体で支払え?”」
「言ってないっ」