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みみみみ  作者: 椥桁
日常
358/448

358 聖なる一族

「おまえらはわたしのお母さんじゃないだろ」

 美雪(みゆき)は上機嫌な瑞葉(みずは)海彩(みどり)に真実を突きつけた。

「そうだよ……真のお母さんは一人だけ……。さあ、雪ちゃんが選んでよ!」

 俯く瑞葉が大袈裟に暗い雰囲気を作る。

「どっちもわたしのお母さんじゃねーよ」

「お父さんか!」

 はっ、と顔を上げた。

「お父さんでもねえよっ」

「……じゃあ雪ちゃんはどこから産まれてきたの?」

「うちのお父さんとお母さんからですけど」

「妖精さんかな~?」

 海彩が瑞葉の問いに手を合わせて答える。

「ねえ、わたしの話も聞いて」

「なるほど。妖精を生むのもまた妖精か……」

「人の家族を妖精として扱うなっ」

「雪の精の一族じゃないの!?」

「人間の一族ですけどっ!?」

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