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357 生みの親、育ての親
「雪ちゃんさあ。今は昼休み中だけど、ここ教室だからさ。声の大きさ自重してね」
こっそりと瑞葉が告げた。
「お前が話の内容自重しろっ!」
「ほらまた!」
美雪の声の大きさを、瑞葉が注意する。
「あはは~」
海彩が吹き出した。
「まったくもう。親の顔が見てみたいよ」
呆れたように瑞葉が言う。
「見たことあるだろ」
「ああ、あたしか」
ひとり納得し、ぽんと手を叩いた。
「違えよっ!」
「アタシか~」
美雪が否定すると海彩も瑞葉を真似て手を合わせる。
「違うからっ」
「おやっ?」