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353 本命?
「雪ちゃんはあたしと海彩ちゃん、どっちをお嫁さんにするの!?」
ずい、と瑞葉が身を乗り出した。
「どっちもしないけど……」
美雪は少し引く。
「どっちも!? 欲張るね!」
「違う、そこで切らずに最後まで聞いて」
「聞いたら結婚してくれるの?」
「労力に対して見返りが大きすぎるだろっ」
「大丈夫! 雪ちゃんの話も大きいよ?:
「もう何もかもが違うよ」
美雪に告げられ、瑞葉は思い悩んだ表情を浮かべる。
「違……血が……。血が違わない方が好きなの? 雪ちゃんってそういう趣味だったの!?」
「ピンポイントで抜き取った上に極大曲解しないでっ」
「雪ちゃんってお姉さんいたよね~」
思い出したように海彩が両手を叩いた。
「シスコンか!」
「違うからっ!」