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みみみみ  作者: 椥桁
日常
346/448

346 作戦

「アタシもアタシも~」

 海彩(みどり)が箸で掬ったごはんを美雪(みゆき)に食べさせようとする。

「いいから」

 美雪は顔を少し引いて断った。

「食べ物、粗末にしちゃダメだよ~」

「自分で食べなよ……」

「海彩ちゃんだといつ落としちゃうかわかんないよ?」

 瑞葉がそっと助言する。

「……ああ、もうっ」

 美雪は諦めたように思い切って海彩の箸を咥え込んだ。

「やった~」

「おいしい? 海彩ちゃんに食べさせてもらったお弁当はおいしい?」

「おいし~? アタシが食べさせてあげたお弁当はおいしい~?」

 ワクワクしながら二人が尋ねる。

「おいしいよっ」

 ぶっきらぼうにそう答えると、美雪は自分の弁当を飲み物のような勢いで食べ始めた。

「照れ隠しかな?」

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