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343 分身
「いただきます!」
「頂きます」
「いただきます~」
瑞葉が手を合わせると、美雪と海彩もそれに続いた。
「雪ちゃん頂きます」
「いただきます~」
今度は美雪に向けて手を合わせる。
「それはもういいから」
美雪は軽くあしらった。
「雪ちゃんのそのお弁当の鞄、白いね」
隠されたお菓子を見つけた子供のように、瑞葉の目が美雪のランチバッグを捉えた。
「ん……なんだよ」
美雪は構える。
「雪のように白いね?」
「なんだよっ」
「雪のように白い鞄でかわいいね?」
「だからなんだよっ」