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342 セーフ
「さて、椅子も奪っ……確保したことだしお弁当食べよっか」
瑞葉が静岡さんの机を動かし美雪の机に合わせ、そこに着席する。
「うん~」
海彩も自分の机を反転させると美雪の机にくっつけて座った。
「なんかわたしを中心に集まってきたみたいでアレだな」
少し恥ずかしそうに美雪は照れた顔をした。
「そんなこと全然ないよ! 雪ちゃんは世界の中心だよ!?」
「それこそ全然ないからっ!」
瑞葉の本気であろう言葉に美雪は全力で否定した。
「中心にいる人は、自分が中心にいることに気付かないんだよ」
「なんだよ、誰の言葉だよ……。それより瑞葉、お前さっき“奪った”って――」
「言ってないよ。言いかけただけだよ」
「一緒だよっ。思ってれば一緒っ!」
「でもちゃんと許可取ったし!」
美雪に責められ瑞葉は反論する。
「それは見てたけど」
「ならセーフ!!」