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34 まんざらでもない
「あ、アタシがんばってクラス表見てくるね~!」
「うん、頑張ってね!」
「気を付けろよー……」
海彩を瑞葉と美雪が心配しながら見送る。でも海彩がクラス分けの表へ進むと、そこに群がる生徒達が不思議と道を開けていってくれたので大丈夫そうだった。
「なあ。なんか今日激しくないか?」
「ん、何が?」
「その……おまえらのスキンシップ? とかが。春休み前と比べて」
「ああ、うん、さっきまでは春休みの間雪ちゃんに会えなかったせいで、ちょっと暴走しすぎちゃってたかも」
「ちょっと……? もう高校生になるから少しは落ち着くと思ってたのに」
「大丈夫! もう大丈夫だから、今からは控えめにするよ?」
「なんで疑問形なんだよっ」
そこで海彩が手を振りながら戻ってきた。
「三人ともクラスいっしょだったよ~」
「うわああああああああ! 雪ちゃん雪ちゃん雪ちゃん雪ちゃん雪ちゃあああああああん」
「ああもうっ、言った側から!」