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339 お勉強
「ふうー……おわったおわった」
瑞葉が弁当箱を持って美雪と海彩の席までやってきた。
「まだ半分だよ」
「なんか、おなかすかない?」
「昼だからだよっ」
美雪も鞄から弁当を取り出した。
「授業楽しかったね~」
海彩も弁当を取り出す。
「まあ、ほとんど先生への自己紹介ばかりだったからな」
「あの中のうち、ちゃんと今日の自己紹介覚えてる先生はどのくらい居るんだろうね?」
瑞葉が皮肉っぽい笑みを投げ掛ける。
「やめてあげろ……」
「覚えてなかったらショック~……」
海彩は寂しそうに指を合わせた。
「仕方ないだろ、一日でこんなにたくさんの人を覚えるほうが無理があるよ」
「でも相手はプロだよ?」
「教える方のプロだよっ」