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336 スケジュール
「痛いならやめなよ」
半笑いになりながら美雪が止める。
「手が木っ端微塵になるかと思った」
瑞葉は素直に机を叩く手を止めた。
「いたそ~」
海彩が瑞葉の真っ赤になった手の平を見つめる。
「全然全然。いつも雪ちゃんにしばかれるのに比べれば全然」
「しばいてねーよっ」
瑞葉が手を振って問題ないことを示していると、美雪にツッコまれた。
「あの程度じゃ、しばきにすらなってないってこと!?」
おそろしや、と体を強張らせる。
「ひとを暴力女みたいに言わないで」
「手が痛いなあ……」
瑞葉は自分の手を優しくさすった。
「ひとが暴力振るったように観せないで」
「あ、ちなみに明日はあたしに何する予定なのか、今聞いといてもいい?」
「まるでわたしが日課にしてるみたいにするなっ!」