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333 ●REC
「雪ちゃんはあたし達の手を握ってるから両手が塞がってるけど、あたしも海彩ちゃんも片手があいてるよ?」
瑞葉が空いてる方の手の指を、いやらしく曲げ伸ばししてみせる。
「あいてるよ~?」
海彩も指を一本ずつ順番に折っては広げていく。
「なっ、やめろっ!」
美雪は身構えた。
「うへへへ」
「えへへ~」
迫りくる二人。
「そもそも塞がってねーよっ」
美雪は握っている両手を離して、二人の手をぺちんと叩いた。
「……うーん、このあいた手はどうしようか」
「こ~しよ~?」
海彩が瑞葉の手を取る。
「おおう!?」
瑞葉もそれに応えると、二人は指を絡め合った。