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332 アート
「くりかえしたら、新鮮じゃなくなっちゃうよ~?」
「なるほど、確かに」
海彩からの助言に瑞葉は頷いた。
「だから~、ビデオ撮ろ~」
「なるほど?」
海彩が携帯電話を取り出すと瑞葉は首を傾けた。
「やめて」
美雪は海彩の携帯電話を持つ手を押さえる。
「なるほど!」
瑞葉も携帯電話を取り出した。
「“なるほど”じゃないからっ!」
その手も美雪は押さえる。
「えー、あたしは何もしてないよー」
瑞葉がニタニタと口の端を上げた。
「お前も写真撮ろうとしてただろ」
「失敬な! 映像だよ!!」
「余計駄目っ」