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330 交代
「でもあたしは雪ちゃんに手を叩いてもらって嬉しかったけど」
恍惚とした笑みを瑞葉が見せる。
「ドMは黙ってて」
「違う、間違い」
「ああ、変態だっけ」
訂正しようとする瑞葉に、美雪は冷たく言い放つ。
「違う違う。間違えたのは雪ちゃんじゃなくてあたし」
「今までに正解なんてあったっけ?」
「でもあたしは雪ちゃんに手を握ってもらって嬉しかったけど」
「いいよわざわざ言い直さなくても、もう何言っても手遅れだよ……」
喜ぶ瑞葉を美雪が鋭く突き刺した。
「それ、なんか、ゾクゾクするかも」
「瑞葉、ちょっときもちわるいかも~……」
自分の肩を抱いて悶える瑞葉に、海彩は苦笑いから笑いを取ったような複雑な顔を向けた。
「ごめん、それはガチに聞こえるからやめて」
急に真顔に戻る瑞葉。
「わたしのもガチだよっ!」