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33 黒かった。
「クラス表の前、ひと多いね~」
海彩が生徒玄関前にでかでかと貼り出されているクラス分けの表を指差す。
「全然見えないな」
「大丈夫! あたしに任せて!」
そう言って美雪のスカートを捲ろうとする瑞葉。
「おい待てバカ! 何を見る気だっ」
美雪は必死でスカートを押さえる。
「わお~」
「海彩も見てないで手伝って!」
「わかった~!」
美雪のスカートを瑞葉と一緒になって捲ろうとする海彩。
「ちょ、違う! おまえもバカだったかっ」
「雪ちゃん、その手邪魔!」
「じゃまだよ~、雪ちゃん」
「やめろバカ共!」
美雪は一瞬だけ手を離すと、スカートが捲り上がる前に二人のおでこを手の平で叩いた。
「くーっ」