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32 一年生。
「さて、学校きたついでにクラス分けでも見に行こっか」
瑞葉が美雪と海彩を先導する。
「ついでじゃないだろ。メインの一つだよ」
「なるほど、雪ちゃんはクラス分けが好き、クラス分けに目がない、と。メモメモ……」
瑞季は右手の人差指で海彩の背中に文字を書く。
「くすぐったいよ~、瑞葉あ~」
笑いながらも体を捻って避けようとする海彩。
「いや、好きじゃなくても見るだろ、クラス分けは」
「そうなの!?」
「驚かない驚かない。おまえは何年学生やってきたんだ」
「え、えーと……」
瑞葉は海彩の背中に指で数字を書いていく。
「小学生かっ。あと海彩をメモ帳代わりに使うな」
海彩が声を出して笑っている。
「雪ちゃんひどい! 小学生でも暗算くらいできるよ!」
「……ん? 小学生未満だったか」
「おっと。あたしとしたことが、自分よりも全国の小学生をかばっちゃったよ」