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312 弁明
「待って待って、こんなこと話すために待ってもらったわけじゃないから!」
瑞葉は大袈裟にぶんぶんと手を振った。
「どんだけ待たせる気だよ」
「おばあちゃんになっちゃうよ~」
美雪と海彩が野次を入れる。
「てか、みんな待つ気ないよね!?」
「まあ、うん」
美雪は素っ気なく答えた。
「このひとでなし!」
「むしろ何を待てばいいんだよっ?」
「あたしの弁明だよ!」
「そんなのする必要あるか?」
「あるよ!!」
「それじゃあ、まあ……どうぞ」
「あたしが海彩ちゃん起こしたときに“朝ごはん食べた?”って訊いたら、こくりこくりと首を縦に振ったから、そのまま制服着せて連れてきちゃっただけだよ」
「弁明する気ないだろっ!? それ食べてないしっ! 起きてすらないっ!」