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31 ど、こ、も、?
「でも連休中一度も遊ばなかったのって初めてだよね~」
海彩が美雪と瑞葉の顔を交互に見る。
「そうだね。うちのお母さんなんてちょっと心配してたからね」
両手の人差し指を立てて、頭の上に乗っける瑞葉。
「それ心配してる人のポーズじゃないから。カンカンに怒ってるポーズだから」
「むむ。あたしのお母さんもうボケてきたかな」
「ボケてるのはおまえだろう」
美雪は右手をほっぺたに当てて頭を少し傾けた。
「瑞葉のおかあさん、アタシたちケンカしちゃったって思っちゃったかな~?」
「うーん……。足が臭いのを気にしてると思っちゃったんじゃない?」
瑞葉が深刻そうな表情で告げる。
「ええっ~、どうしよう~」
海彩は靴を脱ごうと自分の足に手を伸ばす。
「待って、大丈夫だから。海彩はどこも臭くないから」
慌てて美雪が瑞葉を止めた。
「な~んだ。臭いのは雪ちゃんだけか~」
「わたしも臭くないわ!」