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307 組み分け
「クラス分け楽しみだね!」
瑞葉がわくわくしながら、胸の前でぎゅっと手を握った。
「昨日見ただろ」
「いっしょのクラスだよ~」
美雪と海彩は、ひとり浮かれている瑞葉を置いて、下駄箱へと足を進める。
「毎日変わらないの?」
残念そうな顔で二人の後を追いかけてくる瑞葉。
「変わらないよっ、変わってたら大忙しだろ」
「大井蘇我氏?」
瑞葉が音調を変えて繰り返した。
「誰だよっ!?」
思わず美雪は振り返った。
「ほら、あたしの後ろの席の――」
「いねーからっ、絶っ対!」
「となりの町の~――」
海彩が瑞葉の意思を引き継ぐ。
「さらりと範囲広げんなっ。それでもいねーよっ!」