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305 願望
「早く学校行こう!? 急ごう!?」
美雪と海彩を置いて急に走り出したかと思うと少し先で二人を待つように足踏みする瑞葉。
「なんでそんなに急ぐの?」
慌てるでもなく、美雪は海彩を連れて瑞葉の元まで歩いて行った。
「海彩ちゃんと一緒だからね!」
瑞葉は明言する。
「だから海彩をなんだと思ってるんだよっ!?」
「時間を操る能力者?」
「普通の人間ですよ……」
瑞葉の回答を聞いて美雪は溜め息を吐いた。
「あ~! 昨日、お洗濯するの忘れてた~」
「え?」
「ちょっと、昨日に行ってくるね~」
ヒラヒラと海彩は手を振る。
「ほら! ほら!」
瑞葉が得意気な顔で海彩を何度も指した。
「海彩も適当なこと言わないでっ! 瑞葉が調子乗るからっ!」