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302 ごはんも食べれる
「海彩ちゃんを起こしてから行こうと思ったんだけど、予想以上に早く起きちゃったから雪ちゃんちの敷地で暇潰ししてた」
瑞葉が状況を説明した。その隣で海彩は眠そうにウトウトと頭を揺らしている。
「本当に起きたのか?」
疑いの眼差しを美雪が向けた。
「呼吸してた」
「起きてる定義っ!」
「え?」
「それは起きてるって言わないから。海彩をなんだと思ってるんだよ……」
「えへへ」
笑うだけで何も答えない瑞葉。
「あと、うちの敷地で暇つぶしって……うちをなんだと思ってるんだよっ!?」
「公衆べん――」
「ああ?」
瑞葉の言葉を予測して美雪は怖い顔をする。
「――ち」
「軌道修正すなっ。それでも間違ってるけどっ!」