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みみみみ  作者: 椥桁
日常
301/448

301 朝一

「行ってきまーす」

 美雪(みゆき)が玄関の内側へ声をかける。いってらっしゃい、と姉の声が小さく返ってきた。

「おはよー雪ちゃん!」

「おはよ~」

 その背後から唐突に声をかける瑞葉(みずは)海彩(みどり)

「っ……、おまえら、いつの間に……。ていうか、いつからっ……」

 不意の出来事に、美雪は体を強張らせた。

「ううん。あたしも今きたとこ」

 ニコッ、と瑞葉が微笑む。

「それ使い時が違うし、こんなとこで気を使わなくていいからっ」

「……じゃあこれからはベッドの上だけにしておくね?」

「そんな機会ないからっ!」

 ばっさりと美雪は切り捨てた。

「瑞葉~。アタシにもやさしくしてよ~……。まだねむいよ~……」

 あくびをしながら海彩が泣きつく。

「あまったれんじゃないよ!!」

「厳しすぎるだろっ」

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