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300 またね、
「いやー。喋った喋った」
「お店にとっては騒がしくて大迷惑だっただろうな……」
うどん屋を出て、瑞葉が満足そうに伸びをしていると、美雪は店の人に申し訳なく思った。
「あたしも~」
「おまえは全然だろ」
海彩が自分を指差すと美雪がツッコミを入れた。
「雪ちゃんが席を外したときとか、海彩ちゃんたくさん喋ってたよ?」
「わたしがいると会話しづらいみたいなこと言うのやめてっ!」
「……ほら見て! 空! いい色!!」
空を見ずに瑞葉は言った。
「話を逸らさないでっ!?」
「今日がもうおわるね~」
海彩がのんびりと空を見上げる。
「そして明日からいよいよ、始まるね!」
「たのしみだね~」
「今までとそんなに変わんないだろうなあ」
美雪は小さく苦笑した。