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26 ばーじょんあっぷ
「えー。あたし永久機関?」
瑞葉が自分で自分を指差した。
「まあ、わたしの言うことは永久に聞かんでしょうね」
「お~」
美雪の言葉に感嘆する海彩。
「そんな、あたし雪ちゃんの言うことならなんでも聞くのに!」
「じゃあわたしの半径十六センチ以内に入らないようにしていただけますか」
「そっれはっむりーっ」
美雪の腰元に瑞葉が抱きつく。美雪は不意を突かれたような顔を一瞬だけして、すぐに瑞葉を引き剥がした。
「ほら! やっぱり!」
「いいな~。雪ちゃん、アタシは~?」
「海彩もダメです」
「えい~」
「おっと」
さっきの瑞葉のように美雪に抱きつこうとする海彩。しかし簡単に避けられてしまった。
「あれ~?」