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みみみみ  作者: 椥桁
入学式の日
21/448

21 まっかっか

「あーもう! やめろ、おまえら」

 美雪(みゆき)が、瑞葉(みずは)海彩(みどり)にそれぞれ握られている自分の両手に力を込めて逆に握り返した。

「あははっ、いった~いっ。雪ちゃんごめんね~」

 海彩が痛みに耐えられず手を離す。対して瑞葉はそれでも美雪の手を離さなかった。

「ああ、あたし今、雪ちゃんに求められている!?」

「求めてないから。むしろその逆だから」

「ええー。残念」

 瑞葉は美雪から手を離す。離した後もまだ名残惜しそうに、一人で手をグーにしたりパーにしたりと繰り返していた。

「はー、やっと開放された……」

 ほっとするのも束の間。

「雪ちゃん手汗すごいよ?」

 瑞葉が自分の手の平を見ながらつぶやいた。

「元からだよ~」

 海彩も瑞葉の真似をして手の平をグッパッグッパッと繰り返す。

 それを聞いた美雪がまさかと自分の手の平を見つめる。

「違うって! おまえらが変に付き纏うから。それにこの学校前の坂、結構急だったし」

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