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204 裏裏切り
「あたしモナカ――」
「おいっ」
メニュー表を指差す瑞葉を、美雪が遮る。
「あはは~っ」
それを見て、笑う海彩。
「どら焼きはどうしたんだよ」
「は。なにそれ」
美雪の問いに、瑞葉は無表情で返す。
「あはははは~っ」
その顔を見た海彩が更に笑った。
「あ、えーと、わたしは三色団子で――」
店員を待たせていることに気付いた美雪が、慌ててメニュー表に目を落とす。
「アタシはワラビモチで~――」
「おまえもかよっ」
海彩の注文に、美雪が突っ込みを入れた。
「味は抹茶でお願いします~」
「そこは変えないのかよっ」