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みみみみ  作者: 椥桁
入学式の日
203/448

203 ラストオーダー

「それではラストオーダーをお伺い致します」

 店員が告げる。

「えー、もうそんな時間かー……」

 残念そうな顔をしながら、袖を捲って時間を確認する瑞葉(みずは)。そこに腕時計はなかった。

「おいっ」

「ぷふっ」

 美雪(みゆき)の一声に、海彩(みどり)は吹き出す。

「なになに? どったの??」

 期待に満ちた顔をして、瑞葉が振り返った。

「おまえが“ラストオーダーにして下さい”って頼んだんだろ……」

 美雪が面倒くさそうに答える。

「あー、そっちかー」

「どっちだよっ」

「瑞葉、腕時計してない~」

「そっち!?」

「よく気がついたね! 実はこれ、バカには見えない時計なのさ! あたしも見えない」

「意味なっ」

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