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みみみみ  作者: 椥桁
入学式の日
200/448

200 透けない

「お水をお持ちいたしましたー」

 店員のお姉さんが、水の入ったコップを持ってやってくる。

「……どうする? 足引っかけてみる? 足引っかけてみる?」

 こっそりと美雪(みゆき)海彩(みどり)に耳打ちする瑞葉(みずは)

「……やめなさい」

 止める美雪。

「……えー。でも、濡れ濡れの店員さん、見たくない?」

「見た~い」

 海彩が賛成する。

「……いや、やめろって」

「……あ、濡れ濡れの雪ちゃんも見たいよ?」

「見た~い!」

「……それもやめろっ」

「……雪ちゃんの前で店員さん転ばすしかないね」

「一石二鳥だね~」

「……濡れ濡れ濡れ濡れだね!」

「……コップ一杯の水でそこまで濡れるかっ!」

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