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200 透けない
「お水をお持ちいたしましたー」
店員のお姉さんが、水の入ったコップを持ってやってくる。
「……どうする? 足引っかけてみる? 足引っかけてみる?」
こっそりと美雪と海彩に耳打ちする瑞葉。
「……やめなさい」
止める美雪。
「……えー。でも、濡れ濡れの店員さん、見たくない?」
「見た~い」
海彩が賛成する。
「……いや、やめろって」
「……あ、濡れ濡れの雪ちゃんも見たいよ?」
「見た~い!」
「……それもやめろっ」
「……雪ちゃんの前で店員さん転ばすしかないね」
「一石二鳥だね~」
「……濡れ濡れ濡れ濡れだね!」
「……コップ一杯の水でそこまで濡れるかっ!」