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「これは雪ちゃんに罰を与えなければいけないね!」
声高々に言う瑞葉。
「なんでだよ。逆だろ、お前が海彩から罰を受けるんだろ」
「くっそー! あたしにも手を握らせろー!」
美雪の反論も虚しく瑞葉の耳の中を通り過ぎて行き、瑞葉は海彩が握っていない方の美雪の手を握った。
「ばかっおまえ、やめろってこんなところで」
美雪は反射的に、瑞葉の手を振りほどこうとする。
「ん、なに? じゃあ“こんなところ”じゃなければやってもいいの?」
瑞葉はにやりと笑い、ぶんぶんと振られる手を離されまいとしっかり握りつつ、手に込める力ににぎにぎと緩急を付ける。
「わっばかっなんかそれきもちわるい! っていうかやるなっ!」
美雪の振る腕のスピードが増す。それでも瑞葉は剥がれない。
更にはそれを見ていた海彩までもが、「アタシなら“こんなとこ”でもやっていーのー?」と訊きつつ、さっきからずっと繋いでいた美雪の手を、瑞葉の真似をしてにぎにぎと握る。
「よくない! ってか海彩もやめろ!」
「えへへー。雪ちゃんの手ーふにふにー」