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199 モチモチ
「それでは、お水をお持ちいたしますね」
「オモチ!」
「……?」
厨房へ向かおうとしていた店員のお姉さんは、瑞葉の一言で困惑する。
「それはもういいから……」
ツッコミを入れる美雪。
「オモチもお持ちいたしましょうか……?」
「いえ、けっこうです!」
「なら言うなよっ!」
「誘われてるのかと思った」
「あ~。瑞葉、誘われやすい体質だもんね~」
海彩が両手をパチンと合わせた。
「ねー」
「どんな体質だよっ」
「こんなだけど?」
瑞葉は美雪に文字通り擦り寄る。
「わっ、急にやめろっ、アホか!」