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198 おわかり
「はーい、なんでしたかー?」
店員のお姉さんが店の奥から現れた。
「……ばるんばるんしよる」
小声で瑞葉が呟く。
「くふっ……ふ……」
それを聞き取った海彩は、笑い声が漏れないよう上下の唇を必死に結ぶ。
「やめなさいな……」
美雪が呆れるように言った。
「……? ……? ……?」
瑞葉の声が届かなかったらしい店員は何が起こったのかわからず、三人を順番に観察する。
「あ、ごめんなさい、なんでもないです! ご注文お伺いしてください!」
にやにやと笑みを浮かべる瑞葉。
「おまえが言うなっ」
「えーと、それじゃあ、ご注文をお伺いしますね?」
「おひや」
「またかよっ」
「ぷふっ」