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186 すませば
「ううう~……。恥ずかしくてもうオシッコできない~……」
机に額を擦り付ける海彩。
「瑞葉が言ってたのは全部嘘だから気にすんな。そんな大きな音、出るわけないから」
「ええ~……。でも、気になるよ~……」
「雪ちゃんが確かめてあげればいいんじゃない!?」
瑞葉が提案する。
「雪ちゃん、確かめて~」
海彩はスカートを摘むと、それをヒラヒラと揺らした。
「さっき出したばかりだろっ」
「出すよ~。雪ちゃんのためなら、アタシがんばって出すよ~」
「目的がずれてるっ」
「目的ってなんだっけ~?」
「雪ちゃんにおしっこの音、聞いてもらうんだっけ?」
「誤解を招く言い方すんな!」
「雪ちゃんがおしっこの音聞きたいんだっけ?」
「余計誤解されるわっ」
「トイレで耳をすませる雪ちゃん」