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185 二人がいるから
「海彩ちゃんのおしっこ、勢い強すぎてトイレの壁壊れるかと思った」
机に突っ伏し恥ずかしさで悶える海彩を、楽しそうに見守る瑞葉。
「うそつけっ」
美雪は瑞葉の話をこれっぽっちも信じない。
「ほら! 今嘘つけって命令した!」
「小学生かよ」
「…………」
「なんか否定しろよっ」
「小学生だよ!」
「嘘つけっ」
「くっ……、八方塞がりか……!」
「そんなに塞がってない」
「うう~……。アタシの人生も八方塞がりだあ~……」
海彩が声を震わす。
「まったく塞がってないよ。塞ぐ要素がないよ」
「六方塞がりだあ~~……」
「数の問題じゃなくてっ」