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184 幻聴
「海彩ちゃんがいるトイレからジョボボボって音が聞こえてきてね、すごい怖かった」
「怖い要素ゼロですけど?」
美雪は想像力を働かせども、瑞葉の言葉からは一般的なトイレシーンしか思い浮かばない。
「はずかしい~……」
海彩が顔を覆う。
「隣同士ならまあ聞こえちゃうだろ……」
「違うよ?」
「何が」
「隣同士じゃなくて端と端だよ?」
「遠い!」
「もうジョボボボボって、音が凄かった」
「勢い強すぎるだろ!」
「はずかしいよお~……」
机に突っ伏す海彩。
「恥ずかしいなあ……」
「もう雪ちゃんち行けない~……」
「そんな大きな音、出るわけないから安心して」