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みみみみ  作者: 椥桁
入学式の日
183/448

183 むしろメイン

「トイレ中の海彩が怖かった、ってなんだよ。二人で同じ個室にでも入ったのか?」

 美雪(みゆき)が疑問をぶつける。

「はあ?」

 眉間(みけん)にしわを寄せる瑞葉。

「うざっ」

「ぱーどぅん?」

 悪態を尽かれた瑞葉は言い方を変えてみる。

「果てしなくうざいです」

 それでも、当然ながら美雪の反応は変わらなかった。

「てかさ、二人で同じトイレ使うわけないじゃん。雪ちゃん頭おかしいの?」

「おまえらならあるかと思ったんだよ……」

「アタシ、ひとりでもおトイレできるよ~!」

 海彩(みどり)が嬉しそうに言う。

「や、“あるかと思った”ってのは、“一人でトイレできないと思った”わけじゃなくて」

「酷い! そんなこと思ってたの? そんな子とはもう一緒にトイレ入ってあげないよ!?」

「思ってないし、二人で同じトイレは使うわけないって言ったばかりだろっ」

「雪ちゃんは別だよ。別腹」

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