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183 むしろメイン
「トイレ中の海彩が怖かった、ってなんだよ。二人で同じ個室にでも入ったのか?」
美雪が疑問をぶつける。
「はあ?」
眉間にしわを寄せる瑞葉。
「うざっ」
「ぱーどぅん?」
悪態を尽かれた瑞葉は言い方を変えてみる。
「果てしなくうざいです」
それでも、当然ながら美雪の反応は変わらなかった。
「てかさ、二人で同じトイレ使うわけないじゃん。雪ちゃん頭おかしいの?」
「おまえらならあるかと思ったんだよ……」
「アタシ、ひとりでもおトイレできるよ~!」
海彩が嬉しそうに言う。
「や、“あるかと思った”ってのは、“一人でトイレできないと思った”わけじゃなくて」
「酷い! そんなこと思ってたの? そんな子とはもう一緒にトイレ入ってあげないよ!?」
「思ってないし、二人で同じトイレは使うわけないって言ったばかりだろっ」
「雪ちゃんは別だよ。別腹」