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180 とととと
「そういえば店員さんも怖かったけど、その前の雪ちゃんも怖かった」
瑞葉が、自分の体の震えを押さえるように、ぎゅっと自分の肩を抱く。
「怖さ成分ゼロでしたけど?」
「怖かったあ……。おしっこ漏れるくらい怖かったあ……」
「漏らすな漏らすな。トイレ行け」
「だから漏らさないように押さえてるじゃん! 必死に!」
瑞葉は自身の肩を抱く力を強める。
「出んわ、そんなとこから!」
「じゃあ、どこを押さえればいいの?」
「え、いや、それは……」
「ドコを押さえればいいの~?」
傍観していた海彩が瑞葉の真似をやりだす。
「知ってるだろっ、そんなことっ」
美雪の顔がみるみる桃色に染まっていく。
「知らな―い、雪ちゃんが押さえて―?」
「アタシも押さえて~?」
「二人ともとっととトイレ行ってこい!」