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みみみみ  作者: 椥桁
入学式の日
180/448

180 とととと

「そういえば店員さんも怖かったけど、その前の雪ちゃんも怖かった」

 瑞葉(みずは)が、自分の体の震えを押さえるように、ぎゅっと自分の肩を抱く。

「怖さ成分ゼロでしたけど?」

「怖かったあ……。おしっこ漏れるくらい怖かったあ……」

「漏らすな漏らすな。トイレ行け」

「だから漏らさないように押さえてるじゃん! 必死に!」

 瑞葉は自身の肩を抱く力を強める。

「出んわ、そんなとこから!」

「じゃあ、どこを押さえればいいの?」

「え、いや、それは……」

「ドコを押さえればいいの~?」

 傍観していた海彩(みどり)が瑞葉の真似をやりだす。

「知ってるだろっ、そんなことっ」

 美雪(みゆき)の顔がみるみる桃色に染まっていく。

「知らな―い、雪ちゃんが押さえて―?」

「アタシも押さえて~?」

「二人ともとっととトイレ行ってこい!」

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