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179 サボり
「私呼ばれましたー?」
店員がひょっこり顔を出す。
「呼んでないです、帰ってください」
「酷すぎだろっ」
冷たく言い放つ瑞葉を、美雪が小突いた。
「え、えへへ?」
店員は苦笑いを浮かべる。
「嘘です。定員さんずっとここにいて下さい!」
「はい、戻りますねー」
「ああっ冷たい」
「おまえの温度差が激しいんだよ」
「店員さんがいてくれたら熱いままなのになあー」
「今から夕方と夜に向けての準備があるので……すみませんけど戻りますね?」
「かき入れどきだもんね!」
「がんばって~!」
瑞葉と海彩が店員に向けて手を振る。
「はい、頑張りますっ」