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みみみみ  作者: 椥桁
入学式の日
176/448

176 営業停止

「ごゆっくりどうぞ~」

 店員が一礼し、店の奥へと去っていく。

 直後、瑞葉(みずは)は自分の肩を抱き、震えだす。

「怖かったよお……。おしっこ漏れるくらい怖かったよお……」

「びびりすぎだろっ」

「おトイレ~、行っとく~?」

 そう言って海彩(みどり)はさっき店員が消えていった方を指差した。

「それは完全に狙ってるでしょ! 狙ってるよね!? 海彩ちゃん!」

「え~、間違えただけだよ~」

「そっか、間違いは誰にでもあるもんね。しょうがないね」

「仕様がなくはないだろっ」

「おトイレは~、あっち~!」

 海彩が今度は厨房を指差す。

「わかった! 行ってくる!」

「分かるなっ、行くなっ!」

「止めないで! 漏れちゃう!」

「止めるわっ! 絶っ対に漏らしちゃ駄目な場所だから!」

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