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171 お金
「贅沢は敵!」
声を上げる瑞葉。
「まあ、うん」
美雪は納得し、頷く。
「よって海彩ちゃんも敵!」
びしっ、と海彩に指を差す。
「ここのゴハン代、アタシが出すよ~」
「海彩ちゃんは仲間!」
言い直す瑞葉。
「現金だなあ……」
「ただより安いものはないよ!」
「ず~っと一緒に瑞葉と雪ちゃんがいてくれるなら~、ゴハン代なんて安いもんだよ~」
海彩は両手の指を合わせる。
「そんな。お金なんか使わなくても、わたしらは海彩と一緒にいるぞ?」
美雪があたふたと戸惑う。
「海彩ちゃん、あたしねー? 欲しい靴とバッグがあるんだー!」
「やめなさい」