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170 シイタケ
「海彩ちゃんはエリンギ派だからなー」
瑞葉が一人で納得したように頷く。
「何その情報」
美雪は思わず海彩の方を見た。
「え~。アタシキノコ苦手だよ~」
首をフルフルと横に振る海彩。
「間違ってんじゃねえかっ」
「あれー。おかしいな」
「なんかね~。あの、食感がね~。うわわ~、ってなる~~」
「そっかあ、うわわ、ってなるかあ」
「ホントだよ~?」
「そだ、思い出した! エリンギじゃなくてマツタケだ!」
「一文字も掠ってない上に、結局茸かよっ」
「あ~~! マツタケは食べれるよ~」
「贅沢かっ」
「マツタケはね~……。味が食感に勝ってる」
「味が勝ってる……?」