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17 みずピタ
「わあーい! 久しぶりだねっ、海彩ちゃん!」
海彩が不良だと思い込んでいた子、瑞葉が、飛び込むような勢いで海彩に抱き付く。
「会いたかったよー。瑞葉ー」
それを海彩が両腕を広げて受け止める――ことはできずに、へなへなとその場に座り込んでしまった。
「どうしたの? 大丈夫?」
「だめー……もう無理ー……」
「そりゃあ、寝起きで全力疾走のうえ、連続ジャンプしたらそうなるでしょうね……」
「ひどい……! いったい誰がそんなことを!!」
「前半は海彩だけど、後半はあなたの責任ですよ」
「そっか、ごめんね海彩ちゃん」
瑞葉はしゃがむと自分の手の平を海彩のおでこに当てた。
「ちょっと雪ちゃん! この子すごい熱あるよ!」
「運動した後だからね」
「あー……、瑞葉の手、ひんやりしてて気持ちー……」
「ちょっと雪ちゃん!! 海彩ちゃんがあたしの手、気持ちいいって!」
「あほか!」