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みみみみ  作者: 椥桁
入学式の日
17/448

17 みずピタ

「わあーい! 久しぶりだねっ、海彩(みどり)ちゃん!」

 海彩が不良だと思い込んでいた子、瑞葉(みずは)が、飛び込むような勢いで海彩に抱き付く。

「会いたかったよー。瑞葉ー」

 それを海彩が両腕を広げて受け止める――ことはできずに、へなへなとその場に座り込んでしまった。

「どうしたの? 大丈夫?」

「だめー……もう無理ー……」

「そりゃあ、寝起きで全力疾走のうえ、連続ジャンプしたらそうなるでしょうね……」

「ひどい……! いったい誰がそんなことを!!」

「前半は海彩だけど、後半はあなたの責任ですよ」

「そっか、ごめんね海彩ちゃん」

 瑞葉はしゃがむと自分の手の平を海彩のおでこに当てた。

「ちょっと(ゆき)ちゃん! この子すごい熱あるよ!」

「運動した後だからね」

「あー……、瑞葉の手、ひんやりしてて気持ちー……」

「ちょっと雪ちゃん!! 海彩ちゃんがあたしの手、気持ちいいって!」

「あほか!」

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