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166 言いたかっただけ
「もしアタシが騒死したらどうする~?」
海彩が首を傾ける。
「そんな死に方ないって」
「あたしが騒死を作るから大丈夫!」
瑞葉はこぶしを握る。
「作らんでいい、大丈夫でもないしっ」
「でも瑞葉ならできそ~!」
「マジ?」
「うん~。頑張って~」
「うん、がんばるよ!」
応援する海彩と、応援される瑞葉。
「いやいや、頑張らなくていいから」
「なんで? 頑張ることは大切、って小学校の先生も言ってた」
「情報が古いっ」
「あ、中学校の先生だったかも」
「そういう意味じゃなくてっ。今までの経験から学んで判断しろってこと!」
「あー、なるほど。そうしよう」