163/448
163 出来心
「海彩ちゃんごめんね?」
「はあ~……は~……、いいよ~……」
瑞葉が謝ると、海彩は呼吸を整えながらなんとか言葉を発した。
「大丈夫か?」
美雪が心配する。
「は~……。わらいしぬかとおもった」
少し間を開けて答える海彩。
「笑い死なないから大丈夫だな」
「死因、笑死」
ぽつりと瑞葉が呟く。
「焼死みたいに言うなっ」
「犯人、瑞葉~?」
海彩が間延びした声で訊いた。
「でしょうね」
「あっ、それはやばい!」
焦る瑞葉。
「殺してから気付くなっ」