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161 人選ミス
「あ! ズドドっ……ぷふっ。……ずどっ、ふふふっ」
海彩が何かを言おうとするけれど、途中で吹き出してしまい先に進めない。
「自分で言って自分で笑うなよ……」
美雪が心配の目を向ける。
「ごめっ……ふふふっ、……ずどどっ……ふふっ」
「大丈夫か?」
「う、うん……」呼吸を整える海彩。「は~……、は~……、ズドドぶふふっ」
「これはもう、完全にダメなやつだな」
「ダメなやつだね」
席を立った美雪と瑞葉が、ぷるぷると震える海彩の背中をさする。
「瑞葉さん、通訳をお願いします」
「ほいきた!」美雪にお願いされて、胸を叩く瑞葉。「海彩ちゃん! 手、上げて!」
「……ふぇ?」
「こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ」
「あはははははははははははははははははははははははは~っ」
「やめんかっ」
美雪は海彩から瑞葉を引き剥がして席に座らせた。